令和7年度、保育士職を募集いたします。
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児童養護施設は「ブラック企業」だと言われますが、私もその通りだと思います。
これがこそが、多くの施設の思想の中心を支配しています。
そんな事は今更言われなくてもわかっているのですが、問題はこれが「無償ボランティアではなく仕事だ」というところにあります。
多くの施設は、運営陣も職員も「子どもをより良くするのは無償の愛」という考えから抜けきれず、この「仕事である」という至極あたり前な考え方に強い拒否反応を示します。
過激に聞こえるかも知れませんが、どんな仕事でも詰まるところ、この純粋な一点から逃げられません。
金額でも時間でも、自分自身の考えと天秤に掛けて釣り合いがとれないのはおかしいと思いませんか。 自分が納得できない仕事を続けて、疲弊して、利用者との関係がこじれて…結局納得のいかない形で退職する。選んだのは自分なのに、納得して就職したはずなのに、おかしくはありませんか。
子どもたちのために「自分の時間」を使うのは素晴らしいことです。それは間違いないことです。
ただし、私が「自分の時間」というのは「自分の自由になる時間」のことです。
仕事の中で子どもたちのために時間を使うのは、当たり前です。それをお願いするために労使契約を結ぶのですから。
これを確保するために今年4月から働き方改革関連諸法が施行され、国も本格的に動き出しました。 残念ながら労働環境、労働についての基本的知識に欠ける我々児童養護施設にとって、新たなアレルゲンが増えた事になります。
思った通り「施設には無理だ、できない」と言ったきり、まともに取り組もうとする者も現れません。 国が法律まで作って本気で進めようとすることです。 全ての労働者が同じ方向へ進もうとしている、それが今なのです。どうして自分たちだけは努力もせず、出来ないと立ち止まることが出来るのでしょう。
私たちは相当な覚悟と苦労をし、この4月から完全週休2日制、週40時間労働の徹底をしました。 一法人一施設の、弱小も弱小の組織です。しかし、逃げない。立ち止まらない。
18歳になったら余程のことが無い限り、子ども達は施設をはなれて自立していかなければいけない。 あきらめるな、がんばれ。そういって子ども達を送り出すのに、自分たちだけが逃げられると思っているのか…私には理解ができません。 「できないと言ってとりくなまい」のと「やってみてできなかった」のとでは、結果は同じかもしれませんが、内容は大きく違うはずです。 そして、どちらが未来に向かって歩んでいるか、次があるかは、はっきりしています。
虐待は様々な理由で発生しますが、適切な養育環境が整えば、ほとんどのケースが解消しているのです。 事実、施設に入所する被虐待児童の何倍もの数が、児童相談所の見守りによって家庭生活を送っているのです。
多くの施設がブラックと言われる、あるいは自虐的に自らをブラックと称する。
そうした環境にさらされる利用者は、子どもたちは、適切な養育環境にあると言えるのでしょうか。
まだまだ不充分ですが私たち成光学園は、少なくとも「ブラックではない」と言い切れるところにいます。 しかし、私たちが目指すのは「ホワイト」。半端な白でもグレーでもなく「純白」といいきれるところ。そこです。
周りは黒ばかりの陣地に白が一点。これは相当目立ちますし、必ずにらまれるし、はじかれます。 「子どもたちとまともに向き合っていない」こういう決まり文句で陰口をたたく者がいます。それが現実です。
これは「昔は良かった」と言うことではありません。思い出さなければいけないのは「昔の失敗」そして「今できていない事」です。
今できていない事を一つでもできるように、昨日より今日よくなる努力を続ける事です。
「昔からこれでやってきたんだから、これからも大丈夫」
この考えのマズさに危機感を抱かなければいけません。
ダーウィンの進化論で最も有名なフレーズです。
生き残ってきたのはカラダの大小、チカラの強弱ではないのです。一億年以上、変化に対応できない者は滅んでいる。これは会社も、組織も、同じことです。
もし児童養護施設に就職を希望されるなら、覚悟して下さい。「子どもが大好き」だけでは勤まりません。 多くの施設を見てください。働いている人の顔を、目を見てください。そして、できたら話しを聞いてください。
信じられるのは自分のモノサシだけです。
ご自身も変化に柔軟に対応できるよう意識して、就職活動に臨んでください。
ご活躍をお祈りしています。
令和元年5月 園長 矢部雅文
成光学園での就労をご希望の方に向けて、分かりやすくまとめたリーフレットのPDFデータをご用意いたしました。ぜひご参考にしてください。
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